第一作目の2014年版からスタートした気仙沼漁師カレンダーも、今回で十作目。
これをもって最終章となります。
今回は、第一作目の撮影をしていただいた巨匠・藤井保氏の弟子であり、『そして、父になる』や『海街Diary』などの撮影監督も務めた瀧本幹也さんが「漁師と船」の姿を情感たっぷりに活写。
今回は特別に2025年1月までカレンダーがあり、大トリを務めるのは、サンマ船の出船送りなどを取りまとめる大船頭の中舘船頭の凛々しい表情が未来を見つめます。
六曜・新月・満月のほか、気仙沼の催事情報なども記載されているので、気仙沼へお出かけになる参考にもなります。
今回で最終作の気仙沼漁師カレンダー
東日本大震災による津波と、燃える気仙沼湾といわれた港の大火災に見舞われたあの日。
気仙沼の経済の8割がダメになったと打ちひしがれ、なにもかもが真っ黒に見えたあの時、
抜けるような青空を背景に、震災の直前に出航したはずの真っ白な新造船が自らの危険も顧みず、瓦礫ひしめく港に入ってきました。
船に満載している食料や飲み物を届けたい……。
常に命の危険と隣り合わせで自然相手に奮闘する漁師の男気と、どんな状況でも船を安全に航行させる自信をまざまざと見た瞬間でした。
いつだって、漁師さんは気仙沼のスーパーヒーロー!
どんなに立派な魚市場があっても、どんなに大きな漁船があっても、漁師さんがいなければはじまらない。
漁師さんは、海と生きる気仙沼のエンジンで、スターターなのだ!
気仙沼の女性たちでつくる「気仙沼つばき会」が、そんな熱い思いを込め、
震災から10年で復興する!という気合と共に、毎年、名だたるカメラマン、デザイナーと共に製作。
記念すべき、ラストイヤーは、初めて地元・気仙沼のデザイナーを採用しました。
まだまだ復興半ばですが、そこから逞しく立ちあがろうとする漁師を、気仙沼を、ぜひこのカレンダーから感じていただきたいです。